フローライトと言う名は、ラテン語の「流れる」を意味するfluereを起源として英語の「溶かす」という言葉に由来してつけられました。事実、この鉱物は、溶鉱炉の「融剤：Flux」として使われています。また日本名の蛍石はこの鉱物が光や熱による刺激で発光する「蛍光現象；fluorescence」から名付けられています。真っ暗い部屋でこの鉱物の破片を火にくべると、パチパチと弾けとんで光る様が蛍のようです。紫色 、緑 、黄色 、ピンク 、ブルー など色身も様々で美しいのですが高度が4と低く傷つきやすいうえに割れやすいので加工や取り扱いには注意が必要です。この石のパワーは蛍の名のとおり、精神を肉体から飛び出させ、自由に羽ばたかせると言います。また紫色 の石には判断力を養う、緑 は感情の乱れを防ぎ、ブルー は人間関係を整え、ピンク は魅力を高めてくれる、黄色 は明るさをプレゼントしてくれるとされています。古代エジプトでは彫刻やスカラベに蛍石が使われていました。また、中国では彫刻の素材として300年以上の歴史があります。18世紀には、蛍石を粉末にして水に溶かしたものが腎臓病の症状を緩和させるとして用いられていたそうです。